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心電図

2022.11.21

●主な心電図の所見について

心電図は微弱な電気信号をとらえて波形として記録し心臓の機能を調べる検査です。

人間ドックや健康診断では、安静時12誘導で不整脈や虚血性心疾患、心臓肥大などの診断を行います。

 

洞性不整脈
規則的な信号を出す洞結節からの信号が呼吸などの影響で一時的に不規則になった状態ですが、健康な人にも見られる為、問題はありません。

上室性期外収縮/心室性期外収縮

洞結節以外の場所から信号が出る為に、脈が乱れている状態です。

頻度が少ない場合や自覚症状がない場合は問題ありません。

右脚ブロック

心臓の右側の電気信号の一部に障害がありますが、大きな問題はありません。

高電位・左室肥大

波形の高さが高いと高電位と呼び、心室肥大を反映します。

左心室に相当する高電位が左室肥大です。

健康診断などで定期的な経過観察が必要となります。

T波平低・陰性T波、ST-T異常、ST上昇・ST低下

T波やSTとは心電図の波の名前です。

程度が軽い所見もありますが、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患が疑われる場合もあり、経過観察や精密検査が必要な場合があります。

WPW症候群

心房と心室の電気信号の接合部に余計な電気信号回路が出来てしまう状態です。

突然脈が増加する頻脈発作を伴う事もあり、経過観察や精密検査が必要な場合があります。

洞性徐脈、洞性頻脈

心拍数が44回/分以下を洞性徐脈、86回/分以上を洞性頻脈といいます。

洞性徐脈は洞結節の異常や甲状腺機能低下症等の他、健康な人でもスポーツをよく行う場合に認められます。

洞性頻脈は発熱、甲状腺機能亢進症等の他、健康な人でも緊張にて認められます。

経過観察の場合が多いですが、極端な徐脈・頻脈の場合は精密検査が必要となります。

異常Q波

心筋梗塞や心筋症等の心筋障害によってみられる事があり、精密検査が必要となる場合があります。

Saddle back型またはcoved型ST上昇

突然死を起こす致死的不整脈であるBrugada(ブルガダ)症候群にみられる特徴的な所見で、心電図のST部分の上昇を認めます。成人男性に多い傾向があり、認められた場合、速やかな精密検査が必要となります。

心房細動

心房内にて洞結節とは異なる無秩序な信号が起こり、その興奮が不規則に心室に伝わる状態です。

心房の中で血液が滞り血栓を作る事がある為、脳梗塞の予防も含めた早急な治療が必要になります。